不登校の生徒の学歴について
こんにちは。
「心の自立支援員」幸来(サチコ)です。
子どもが不登校になったとき、ご家族の主な心配事の一つに学歴があると思います。
なぜなら、不登校になると、得られたはずの学歴が損なわれる可能性が高くなるからです。
学歴と人間の価値は関係ない。
学歴だけが全てではない。
頭の中では分かっているつもりです。
でも・・・。
そんなのは建前でしかない。
学歴がなければ社会に出て不利になる。
この世はなんだかんだと学歴社会だ。
どうしてもこのように考えてしまいますよね。
ちなみに、中学までは1日も登校できなかったとしても卒業できます。
私の勤務する通信制高校の生徒にも、中学の在籍日数=欠席日数といった子がいます。
とはいえ、卒業できたとしても、勉強していなければ学歴相当の学力はありません。

実際に私の生徒の中でも、中学までに習うような漢字の読み書きや計算ができない子がいます。
そのような場合でも、私の勤務校では高卒という学歴を得ることが可能なのです。
先生方のサポートもその一因ですが、そもそも通信制は単位の認定基準がかなり緩やかなのです。
それでも、単位を取れずに留年や退学を余儀なくされる子もいます。
その中には高卒の学歴が充分に取れる実力のある子もいます。
ですが、スクーリング(教師との対面での授業のこと)などの他の基準がクリアできないと単位は取れません。
全日制と比べれば僅かな日数ですが、それでも出席できないのです。
特に不登校の経験のある生徒は、この傾向が顕著です。
以上のことからもお分かりになるかと思いますが・・・。
現在の日本社会の学歴は、必ずしもその人の学力を証明しているとは限らないのです。
にも関わらず、未だに企業の採用の条件や採用後の処遇に学歴は大きく影響します。
ですから、家族も学校も、とにかく学歴を得ることが本人の利益になるということで物事を進めがちです。

高校以降は義務教育ではないですから、本来はいつでも入学できますし、進学するかどうかも自由なはずです。
ですが今や、高校だけでなく大学すらも、まるで義務教育であるかのように、世間は進学することに執着しています。
そのような価値観がかえって不登校を増長しているような気もするのです。
こんなお話をすると「学歴って一体なんなのか」とお思いになる方もいるのではありませんか。
これはあくまで私見ですが・・・。
現在の学校教育は、将来、会社員として働くことを前提とした仕組みになっていると思います。
会社員は、決まった時間に出勤できて、決まった時間働けること・・・。
ずば抜けて仕事ができなくてもいいのです。
会社が求める基準に達していればクビにはなりません。
学校生活も同様ですよね。
赤点を取らずに決まった日数を登校できればいいのです。
学歴とは、それができた証なのです。
2024年の総務省統計局「労働力調査」によると、日本の就業者の9割近くが雇用者(この場合、会社などに雇用される人を指します)だそうです。
このようなデータからも、世間が学歴を重視し、不登校を問題視するのは致し方ないことなのです。
私の子どもも、前回までに少しお話ししましたが、不登校の間に高卒認定を取り、通信制の大学に進みました。
ですが、次第に授業の履修が滞るようになり、除籍になってしまいました。
そもそも彼の通っていた高校は、県内で有数の進学校でした。
しかも、トップクラスの成績だったのです。
東大京大クラスの大学を受験できる実力があると、学校側からも言われていました。
そのような彼であっても、高卒認定に受かっているとはいえ、現在の学歴は中卒なのです。
その気になれば、大学で学ぶ実力が充分にあるはずなのに・・・です。
それを惜しむ気持ちが、まだ私に残っていることは否めません。
私自身もずっと雇用者として働いていますし、家族や親戚のほとんどが雇用者です。
そのような環境では、学歴を重視するモノの見方が育まれるのも致し方ないことなのです。
ですが、私も「心の自立」が進むにつれ、少しずつ子どもの学歴への執着も緩んできました。
不登校にならなければ、優秀な成績で高校を卒業して、いい大学へ入っていたかもしれません。
でも、それは私が勝手に思い描いていた「あるべき状況」や「期待」でしかありませんでした。
そもそも「いい高校」「いい大学」「いい学歴」というのも、誰にとって「いい」のでしょう。
もし、不登校の子どもの学歴を心配されている方は、一度じっくりお考えいただきたいのです。
世間や企業から見て「いい」学校が、ご本人にとって必ずしも「いい」ところとは限りません。
また、そのような「いい」ところへ行くことが、必ずしも幸せに繋がるとも限りません。
ご本人にとっても「いい」ところだったら、決して不登校にはならないはずです。
ご本人もご家族も、そのような世間の価値観に振り回されなくてもいいのではないでしょうか。
学歴がどうであろうとも、不登校や引きこもりがいつまで続こうとも、その状態を何とかするのかどうかを決めるのはご本人しかできません。
私もあなたも、そしてご本人も、不登校等の状態をどのように捉えるのか、世間の物差しを通さずに考えてみませんか。
私は彼が不登校になってから、色々な専門の方から書籍や面談、配信講座などを通じて、心のあり方を学ばせていただきました。
その中で、徐々に上記のような心境に至ることができました。
さらに、私がこれまで「普通」「当たり前」と思っていた価値観が、実は私自身の勝手な幻想でしかないということ・・・。
そして、その「普通」「当たり前」を無意識に子どもに押しつけていたことを知りました。
こうして不登校や引きこもりにまつわる様々な不安や悩みを手放していけたのです。
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