引きこもりの方の居場所を考える
こんにちは。
「心の自立支援員」幸来(サチコ)です。
ネットで検索すると、引きこもりの方に対して、居場所づくりを支援している自治体や公的機関が数多く見受けられます。
そして、この場合の『居場所』には『自宅以外の』というと透明な枕詞が存在しています。
確かに自宅以外の居場所を見つけることは、引きこもりの方が社会との関わりを持つきっかけになるかもしれません。
ちなみに居場所とは、辞書では主に次の2つの意味を指すようです。
①人などがいるところ
②その人が心を休めたり、活躍したりできる環境
現代社会では、特に②の意味で使われる場合が多いと思います。
そして、引きこもりの方のご家族は、どうしてもご本人が「心を休める」よりも「活躍できる環境」を優先して求めがちです。
かつての私もそうでした。
子どもが20歳になる少し前のことです。
20歳から国民年金保険料の支払い義務が発生します。
それに乗じて、子どもに保険料は自分で払って欲しいと話をしました。
ちょうどこの頃、支援機関の紹介でアルバイトを始めようとしていました。
保険料の支払いをさせることで、バイトを長く続けてくれるだろうという思いもあったのです。
前回までの記事で少しお話ししたとおり、その思いは叶いませんでした(涙)
なので、ご家族の方が
「せめてどこかに出かけることができれば・・」
「少しでも良いのでバイトでもしてくれれば・・・」
と、切望するお気持ちも充分理解できます。
ですが、少しお考えいただきたいのです。
そこにご本人の意志があるのでしょうか。
ご本人がそのようなお気持ちになれないから、「引きこもり」になっているのではないでしょうか。
私の子どもの場合も、バイトを始めた当初は、多かれ少なかれその意志があったのでしょう。
ですが今から振り返ると、私との意識のズレがあったことは否めません。
『何としてでも続いて欲しい・・・』
そんな切羽詰まった私の緊張感を、子どもも感じていたのだと思います。
バイトに行けなくなった直接の理由は分かりません。
ですが、自宅以外の居場所に対する私の執着が、最終的には引きこもりや昼夜逆転に繋がったのかもしれません。

引きこもりの方が「心を休め」るための大切な居場所・・・。
すなわち、物理的にも心理的にも、安心して本人が居ることができるところ・・・。
それが自宅や自室なのです。
まずは自宅や自室もご本人の居場所なのだと、周囲の方が認めることが肝要です。
引きこもりでない方であっても、近年は居場所がないと感じているという話をよく耳にします。
職場や学校など自宅以外の「居場所」があったとしても、そこに『居ることが許されない』『居ることが辛い』と感じているからです。
そのような場所でギリギリまで頑張りすぎて、緊急避難した状態が「引きこもり」や「不登校」です。
自室やご自宅は、ご本人にとって最後の砦なのです。
まずはご自宅が、避難場所から『居場所』へと変わることが、ご本人の「安心」に繋がります。
とはいえ、居心地を良くしすぎてしまうと、ますます外に出なくなるのではないかと心配になる方もみえるのではないでしょうか。
確かにそのようなお気持ちも充分に分かります。
それは、ご家族の方が社会へ出ることが「あるべき状況」と考えているからです。
要は「引きこもり」に対して否定的な見方をされているのです。
ですが、ご自宅にも『居ることが許されない』『居ることが辛い』のでは、ますますご本人の居場所が無くなってします。
せめて自宅だけでも「居場所」でいられればいいのではないかと、今の私は思えるようになりました。
居場所は無理して作るものでもないと思います。
そして「活躍できる環境」も「社会」「職場」「学校」に限られるものでもありません。
どこを居場所とするのか。
それを探すのも決めるのも、ご家族ではなくご本人なのです。
もっと言うなれば、「活躍」を周囲が求めすぎることで、ご本人を返って追い詰めてしまう場合もあります。
活躍しようがしまいが、他に居場所があろうがなかろうが、その状態を否定せず受け入れることができる心のあり方・・・。
それが私がお伝えしている「心の自立」です。
少し話は変わりますが、国連で2006年に採択された「障害者の権利に関する条約」というものがあります。
これは「私たちのことを私たち抜きで決めないで」を合言葉に世界中の障害当事者が参加して作成されました。
引きこもりや不登校も同じです。
家族の方々は、世間の常識や「当たり前」に振り回されて、ついつい本人のことを本人抜きで考えてしまいます。
今がどのような状態であろうとも、どれだけ時間が掛ろうとも、子どものことは子どもが決めるものなのです。
多くの方はこのことを頭では理解されていると思います。
ですが、なかなか気持ちの方が割り切れずに、つい口を出してしまいたくなるのです。
かつての私もそうでしたし、現在でも完全に払拭できたわけではありません。
家族であるが故に、親であるが故に、知らず知らずに子どもの将来への執着や期待が重くなるからなのです。
そんなお気持ちを、少しでも軽くされたいと思いませんか?
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