発達障害の方の対人関係



こんにちは。
「心の自立支援員」幸来(サチコ)です。


発達障害の方は、対人関係が上手くできずに困ってみえる場合が多いと思います。

特有のこだわりや、衝動的な言動、空気が読めないなど・・・。

発達障害の特性ゆえ、相手から自分勝手と受け取られかねない言動が原因となって、対人関係のトラブルに発展しやすいのです。



ここで唐突ですが、私は通信制高校の非常勤講師をしています。
この職に就いてから1年半ほどになります。

通信制であることから、不登校や発達障害の特性を持つ生徒も多く見受けられます。

時折、生徒同士や教師との間で、口論や言い争いなどの対人関係のトラブルが表に出ることがあります。

そのような生徒との関わりから、最近あることに気付いたのです。

それは、発達障害の特性を持つ方は、持たない方には分りづらい、もしくは想定しづらいような対人関係の悩みも抱えやすいということです。



ここで、ある事例を一つ紹介します。

こだわりの強い特性のあるAさんという生徒がいます。

私を含め色々な先生に対して、頻繁にその特性ゆえの独自の意見を主張します。

ある日のこと、Aさんと席の近いBさんが、密かに私に伝えてきたのです。
そのやりとりを見ていて怖いと感じることがあると・・・。

私に限って言えば、Aさんとは真っ当な議論をしているつもりでした。

Aさんも決して暴言を言ったり声を荒げたりするタイプではありません。

ですが、Bさんには口論しているように感じたのです。


また、このような別の事例もありました。

他の教室から口論に近い大きな声や音が聞こえて来ることがあります。

そんなとき、距離的には一番遠い座席のCさんという生徒が、かなり怖がる様子をみせるのです。

確かに本人に直接関係ないとはいえ、いい気はしません。

ですが、Cさんは自分が当事者であるかのような反応を示すのです。


これらも対人関係のトラブルの一種に該当するのではないでしょうか。


発達障害の特性を持つ方は、持たない方の想定以上に、肉体的にも精神的にも敏感な感覚を持っているようです。

五感が鋭い方も多く、大きな声や音、感触などに多大な負担を感じる場合もあります。

そのような特性が精神的にも影響しているのかもしれません。

特性を持たない周りの方は「そんなことで・・・」などと一蹴してしまうような状況かもしれません。

ですが、本人にとっては大ごとなのです。

また、本人と無関係な出来事に対しても苦しさや悩みを覚えるのです。

周りの方は可能な限り、その苦しい気持ちに寄り添っていただけるといいと思います。



前回の記事でもお伝えした私の子どもも、同じだったのかもしれません。

彼は不登校をきっかけに、後に発達障害(軽度の自閉スペクトラム、発達凸凹)と診断されました。

その心理検査の結果でも、確かに社会性など対人関係の項目が良くありませんでした。



ですが、端から見る限りでは、対人関係に問題はなく、むしろ良好だったのです。

もちろん、私の目が節穴だった可能性も充分にあります(涙)


とはいえ、友人と居てもいつも楽しそうでした。

学校の面談でも、担任から対人関係のトラブルなど1ミリも聞いたことはありませんでした。

そして、同級生の保護者からも、子どもに対して頻繁に感謝の言葉をいただいてました。

仲良くしてくれていることや、面倒見てくれることに対してだったと記憶しています。

ですが、この検査結果や不登校になったことからも、人知れず対人関係に悩みを抱えていたと言わざるを得ません。

私の生徒の事例のように、間接的な対人関係のトラブルもあったのかもしれません。



このことに関連して、もう一つ、私の子どもの話ばかりで恐縮ですが・・・。

実は私はずっと、彼の在学中に不思議に思っていたことがあります。

それは、授業参観などで学校に行くと、彼の座席は常に先生の教壇のすぐ前だったのです。

当時の私は不思議と思いつつも深く考えもせず、理由も尋ねませんでした。

一番前で授業を聞くなんて勉強熱心で関心だ・・・ぐらいに思っていたのです。

ですが、ほとんどの子どもが嫌がるであろうこの位置は、他の生徒が視界に入りにくくなります。

彼にとっては周りのトラブルからの防波堤だったのではないかと気付いたのです。


先の事例のCさんにも似ています。
座席は自由なのですが、Cさんもいつも周りとの距離を置く位置に座っているのです。



以上のように、発達障害の特性を持つ方は、持たない方の想定以上に周囲の出来事に敏感に反応するのです。

それゆえに、表面的なトラブルのみでなく、密かに対人関係で苦しみや悩みを抱えることがあるのです。

そのことを周囲の方が、可能な限り理解しようとすることが大切なのです。

そして、その苦しさや悩みに寄り添ってくださると、ご本人も安心されるのではないでしょうか。



では最後にお尋ねします。

なぜ、このように敏感に反応してしまうのでしょうか?

もちろん、発達障害の特性も大きな理由ではありますが、実はそれだけではないのです。

これは発達障害の方に限ったことではありません。

誰でも同じ理由で、同じように敏感に反応して、対人関係で苦しい思いをする可能性があるのです。


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