引きこもりと専業主婦(主夫)
こんにちは。
「心の自立支援員」幸来(サチコ)です。
今回は少しいつもと違う切り口でお話ししたいと思います。
少し前に「対岸の家事~これが私の生きる道~」
というドラマを見ていました。
多部未華子さん演じる専業主婦・詩穂が主役のお話です。
当初、ドラマの中で、
他の皆さんは詩穂に対して…というか、
専業主婦そのものにメチャクチャ否定的なんですよね。
特に印象的だったのは、
「専業主婦はぜいたくです」
というディーン・フジオカさん演じる
厚労省の育休中パパ・中谷の台詞です。
何をもって「ぜいたく」なのか。
夫の収入だけで回せる家計がぜいたくなのか。
はたまた時間的、心理的余裕かあることがぜいたくなのか。
中谷は追々、詩穂が美容師の資格を持っていることを知るのですが、
それを活かしていないことにも
「もったいない」
「社会的損失だ」
と不満を漏らします。
手に職があるのに、それを無駄にしていることも
「ぜいたく」と捉えられるのかもしれません。

私が子どもの頃は、女性は結婚したら
専業主婦になるのが当たり前の時代でした。
「寿退社」も当たり前。
25歳を過ぎても独身の女性は、
クリスマスの売れ残りのケーキになぞらえて揶揄されました。
ですが、1992年から共働きが専業主婦を上回り、
今や共働き家庭が、専業主婦家庭の3倍近くとなりました。
そのような世相を反映してか、
このドラマのように、
専業主婦でいることすら許されない…。
そこまで世の中の価値観が変わってきているのかもしれません。
以前の記事で、引きこもりの方の家事についてお話しました。
>>>過去の記事
「引きこもりの家族に家事をしてもらうには・・・」
この中で、引きこもりの方のご家族は、
「せめて家事ぐらいは手伝って欲しい」
という気持ちを持たれるのではないか。
そんなお話をさせていただきました。
でも、もし引きこもりの方が
家事をするようになったら、その次は
「せめてアルバイトでもして欲しい」
という気持ちになるのではないでしょうか。
専業主婦の方についても、今は
「せめてパートぐらいには行かなければ」
と考えていて、純粋な(?)専業主婦は少ないですよね。
要は男女問わず、
外で仕事を持って、社会の役に立つことや
収入を得ることが良しとされているのです。
ここで改めて、引きこもりの定義についても考えてみましょう。
厚生労働省では
「仕事や学校に行かず、
かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに
6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」
を引きこもりとして定義しています。
仕事等に「行かず」という言葉の裏を返せば、
本来は誰しも家庭の外に行くべき存在だと見做されているのです。
また「家族以外の人との交流をほとんどせず」
という言葉にも、
本来は外の人と交流すべきだという含みがあると言えます。
専業主婦(主夫)の方と同じように、
引きこもりの方が家事に専念していたとしても、
この定義から外れなければ「引きこもり」と見做されるのです。
実際には、この定義に当てはまる専業主婦(主夫)の方もいるはずです。
ですが「専業主婦(主夫)」という
別の呼び名があることで、
引きこもりとは一線を画す存在になっているのです。
とはいえ、かつては当たり前であった専業主婦も
前述のように、当たり前ではない
「ぜいたく」な存在として
否定されるようになってしまいました。
でも、世間の捉え方がそのように変わっただけで
専業主婦の方が変わったわけではないんですよね。
これは「家事」に対する世間のイメージも変わってきたことも、
要因の1つではないでしょうか。
便利な家電や冷凍技術の進歩などのおかげで、
家事はかつてほど手間のかかる重労働ではなくなりました。
家事は生活を成り立たせる
重要な仕事であるにも関わらず、
「誰でもできる簡単な労働」と軽視され、
その有り難みが感じられなくなっているのではないでしょうか。
だから、
「せめて家事ぐらい…」と
「せめて」という枕詞が付く、
軽々しい扱いになっているのです。
便利になって、家事が簡単になったとしても、
生活に欠かせない労働だという捉え方をすれば、
家庭外の労働にのみ成果を求めるあり方も変わってくるのではないでしょうか。
家事だけではありません。
「せめて○○ぐらいは」という言葉を使うとき、
本当に「せめて」なのかどうか、考えてみませんか。
前述のドラマの中で、
詩穂に関わるもう1人の重要人物として、
江口のりこさん演じる育休明けの共働きキャリアママ・礼子も登場します。

彼女は夫の助けが得られず、
ワンオペ育児で家の中はグチャグチャです。
仕事も保育園からの呼び出しや時短勤務で、
かつてほどバリバリできない状況です。
彼女が考える「せめて」がつく程度のことも
できずに、育児も仕事も家事も
何もかもが中途半端。
そんな自分に苛立っているのです。
彼女は今の世の中で「あるべき」生き方をしているはずです。
ですが、それが必ずしも幸せに
繋がらないのではないかと、
警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。
引きこもりも専業主婦も、
世間では良しとされていないかもしれません。
ですが、ドラマの中では詩穂の家庭は、
詩穂も含めて専業主婦という生き方を受け入れ、
支え合っています。
世間が良しとする生き方が、全ての家庭に当てはまるわけではありません。
詩穂も周りに言われてブレることもありますが、
それでも今の自分や家族に何が一番大切なのか、
自分の軸で考えて生きようとしています。
そんな心のあり方が、
私がお伝えしている「心の自立」です。
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